企業分析

株式会社ラクーンホールディングス(銘柄コード:3031)について分析してみた

投稿日:2020年6月6日 更新日:

どうも、井上です。

今回は、銘柄コード3031
株式会社ラクーンホールディングス
について解説します。

皆さん、
ラクーンホールディングスという会社を
ご存知でしょうか?

ラクーンホールディングスは
スーパーデリバリー」というサイトを
主力事業として運営している会社です。

「スーパーデリバリー」というのは
いわゆる
仕入れサイト
のことで、

・NETSEA(ネッシー)
・TopSeller(トップセラー)

などがその競合にあたります。

事業をやっていない方には
あまり馴染みのないサービスかもしれません。

調べたところ
「仕入れサイト」と呼ばれるものは
30~40ほどあるようですが、

そのほとんどが
・アパレル
・美容
・家具やインテリア
など、

あるジャンルに特化したもの
が多かったです。

その点、
スーパーデリバリーは
幅広いジャンルを扱うため、

総合型

と言えます。

ライバルを比較するため、

・総合型の仕入れサイトで、かつ
・親会社が上場している会社

以下の表にまとめてみました。

(クリックすると拡大します)

ご参考までに
直近2~3年分の
各社のチャートも掲載しておきます。

(クリックすると拡大します)

スーパーデリバリーの特徴は
なんといっても

審査があるところ

です。

NETSEA(ネッシー)は
国内最大級の仕入れサイトですが、

審査がないため
誰でも登録できてしまいます。

誰でも登録できてしまうということは
その分ライバルが増え、

みんなが同じような商品を扱ってしまい
差別化できない

というデメリットがあります。

一方、
スーパーデリバリーは

審査があり、
かつ月額費用がかかるため、

個人が冷やかしで
登録することは困難です。

実際、
私の父が
試しに登録してみようとしたところ、

「必要書類を準備しなければならない」

ということで
面倒くさくなってやめてました(笑)

このように、
参入障壁を高くすることによって

サイトの利用者の質を上げ、

マーケットの信頼も守られる、
というわけです。

さて、
父がこの会社の株を買っていたので
分析してみました。

次の表は
直近4期分(2016~2019年)の

・貸借対照表
・損益計算書
・キャッシュ・フロー計算書

をまとめたものです。

(クリックすると拡大します)

気になるところを見ていきましょう。

まずは
貸借対照表“資産の部”
です。

有形固定資産と
無形固定資産が
大きく増えていますね。

有形固定資産の
内訳を見てみましょう。

・建物
・土地

が大きな割合を占めています。

有価証券報告書によると
本社ビル取得
と書かれています。

「んん?なぜわざわざ本社ビルの取得を??」

と思ったのですが、

ホームページに掲載されていた
「固定資産の取得および資金の借入に関するお知らせ」
を読んでみると、

本社ビルに係る費用が削減される

ことが取得の理由、
と書かれていました。

賃貸よりも
自社で所有したほうが
長期的に見てコストを削減できる

と考えたのでしょう。

単なるブランディングの向上ではなく
長期を見据えた戦略、ということで
安心しましたね。

それに関連して
貸借対照表“負債の部”
を見てみると、

長期借入金が
かなり大きく増えています。

これは
本社ビル取得に伴う借入
だったようです。

次に
無形固定資産の
内訳を見てみましょう。

・のれん

が大きな割合を占めています。

のれんというのは
企業がM&A(買収合併)したときに支払う
目に見えない資産価値のようなものです。

つまり
どこかの会社を買収した
ということです。

どこの会社を買収したのでしょうか?

有価証券報告書には
ALEMO株式会社
と書かれていました。

調べたところ、
ALEMO株式会社は
家賃保証サービスの会社でした。

「なぜ家賃保証サービスの会社を???」

と思いますよね?

実は、
ラクーンホールディングスは
以前から事業用の家賃保証サービスを展開していたようです。

事業用というのは
事業を行なう人が借りる物件のことで、
雑居ビルのテナントをイメージしてもらうとわかりやすいです。

飲食店やショップなどですね。

ALEMO株式会社は
居住用(つまりアパートなど)をメインとしていましたから、

それぞれの強みを活かして
今後、家賃保証事業を拡大していくようです。

ではなぜ、
ラクーンホールディングスは
家賃保証事業を展開するようになったのでしょうか?

あくまで推測ですが、

ラクーンホールディングスは
卸売業の支援(インフラ)提供を行なう会社ですから、

取引先の決済をすると
必然的に金融の役割も担うようになってきます。

同社は
決済代行(ペイメント)
のサービスを行なっていますが、

その決済代行にとどまらず、
家賃保証事業もするようになりました。

なぜなら、

小規模事業者が店舗や事務所を借りようとすると
多額の敷金を要求されることが多いですが、

第三者が家賃保証すれば
敷金の額の軽減が見込まれるからです。

おそらくそういった過程から
事業用の家賃保証サービスを手がけるようになったのでしょう。

今後は
ALEMO株式会社が持つノウハウを
ラクーンホールディングスに取り入れ、

家賃保証事業における
シェア拡大を図っていく模様です。

興味深いのが、
外国人向けの家賃保証を始めたことです。

家主、つまり
物件を貸す側の人間からすれば、

外国人に物件を貸すというのは
非常に抵抗があるものです。

実際、外国人お断りの大家さんは多いです。

ですが、
ラクーンのような実績のある会社が
保証人になってくれるのであれば、

大家さんも外国人に対して
積極的に物件を貸すようになるでしょう。

外国人向けの賃貸保証は
ユニーク審査力が求められるため、

ラクーンが培ってきた
事業者審査の経験やノウハウが生かされます。

今後、家賃保証事業が
どのように成長していくか楽しみです。

次に、
貸借対照表“純資産の部”
を見てみましょう。

特に気になるところはありません。

次に
損益計算書を見てみましょう。

こちらも
特に気になるところはありません。

次に
キャッシュ・フロー計算書を見てみましょう。

営業キャッシュ・フローが
マイナスになっていますね。

利益が黒字の会社は普通、
営業キャッシュ・フローはプラスなので、
マイナスは問題ですね。

営業キャッシュ・フローの
内訳を見てみましょう。

うーん、
これだけでは少しわかりにくいです。

もう少し詳しく見てみましょう。

・売掛債権の流動化(ファクタリング)をやめたので
 842百万円のマイナス

・仕入代金が連休の関係で
 5月払いが4月払いに繰り上がったのが778百万円

などで
たまたま営業キャッシュ・フローが
マイナスになった
だけのようです。

特に問題ないですね。

投資判断としては
引き続きホールドにしたいと思います。

ありがとうございました。

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