企業分析

いま話題のエムスリー(銘柄コード:2413)ってどんな会社?最新の決算短信・説明資料をもとに分析してみた

投稿日:2020年7月3日 更新日:

どうも、井上です。

今回は、銘柄コード2413
エムスリー株式会社
について解説します。

エムスリーとは

皆さん、
エムスリーという会社を
ご存知でしょうか?

エムスリーは
医療従事者向け情報サイト
m3.com
を主力事業として運営している会社です。

一般の方は
あまり聞いたことがないかもしれませんが、

実はいま、株式投資家の間で
この会社が話題になっています。

というのも、
エムスリーの株価が
この3ヶ月~1年半くらいの間で
急上昇しているからです。

父は今年の
3月16日と18日に
エムスリーの株を買っています。

父にこの銘柄を買ったきっかけを
聞いたところ、

新聞か雑誌の記事で、
医者向けの情報サイトを運営している
エムスリーの会員が増えていることを知ったように思う

ビジネスモデル的に、
IT+専門分野+旧来型のMRによる
営業の否定の要素が気に入った

とのことでした。

押し目のほぼ底で買えているので、
最近買った銘柄の中では
ダントツで成績がいいです。

父も喜んでます。

エムスリーの財務分析

さて、
株価は上がっていますが
その実態はどうなのでしょうか?

以下は直近4期分(2017~2020年)の
財務分析表です。
(クリックすると拡大します)

父によると、

事業規模も着実に伸びていて、
また、財務体質もなかなかいい

収益構造がどのようなものか
よく調べずに株を買っているので、
どのような契約形態で売り上げを上げているか調べてね

ポイント引当金については、
そのポイント制度がどのようなものか調べてね

とのことでした。

エムスリーのビジネスモデル

まず、
どのような契約形態で
売上を上げているのでしょうか?

インターネットで調べたところ、
次の図説が最もわかりやすかったです。

出典:【殿堂入り】あなたは「エムスリー」のビジネスモデルを知ってますか?

医師は無料で
情報を受け取れる代わりに、

製薬会社や病院が
コミッションを支払う、

といった形ですね。

エムスリーのポイント制度

ポイント制度については
「m3.com」
に記載されていました。

出典:m3ポイントについて – m3.com

ログインしたり、
「MR君」
「QOL君」
のメッセージを読んだりすると

アクションが貯まり、
貯まったアクションを
m3ポイントに変換できる。

貯まったポイントは
Amazonギフト券などに交換できるそうです。

「MR」とは?

ところで皆さん、
「MR」
とは何かご存知でしょうか?

MRとは
「Medical Representative」
の略で、

「医薬情報担当者」
のことです。

簡単に言うと
製薬会社の営業マン
のことです。

自社で作った薬を
医師や薬剤師の方に買ってもらいます。

ただ、正確には
「薬を営業する」
のではなく
薬について正しい情報を知ってもらう
ことが使命とされています。

正しい情報を知ってもらった上で、
結果的に選んでもらい、売上に繋げていくのです。

そのためには、
MRは何度も医師たちを訪問し、
自社の薬の説明を行なう必要があります。

なんとMRは年間、
平均2,000回も医師に会うらしく、

1回の訪問に
平均10,000円のコストをかけているそうです。

製薬会社からすると
これはとんでもない出費ですよね。

そこで出番になってくるのが
エムスリーの「MR君」です。

「MR君」は
「m3.com」のサイトの中にあり、

最新の医療・医薬品情報を提供してくれます。

医師たちは、
MRにわざわざ訪問されなくとも、
インターネット上で、自分たちで情報を収集できるわけです。

これは画期的なシステムでした。

その会員数はなんと、
29万人以上にものぼるそうです。

国内にはおよそ
30万人の医師がいると言われていますから、

9割以上の医師が利用している
ということですね。

これはすごいことです。

エムスリーのライバル(競合)

では、
エムスリーのライバル
どんな会社になるのでしょうか?

インターネットで調べたところ、
次のような候補が出てきました。

  • ケアネット(2150)
  • データホライゾン(3628)
  • 日本エマージェンシーアシスタンス(6063)
  • エス・エム・エス(2175)
  • EMシステムズ(4820)
  • メドピア(6095)
  • MRT(6034)
  • メドレー(4480)

けっこう多いですね。
一つ一つ見ていきましょう。

ケアネット(銘柄コード:2150)

「医師向け情報サイト」と書かれていますね。
かなりエムスリーと似ています。

データホライゾン(銘柄コード:3628)

「保険者向けのジェネリック医薬品通知サービスが柱」。
うーん、ちょっと違う気がします。

日本エマージェンシーアシスタンス(銘柄コード:6063)

「海外渡航者に病院手配等行う医療アシスタンス事業主力」。
うーん、これも違いますね。

エス・エム・エス(銘柄コード:2175)

「介護・医療業界に特化した人材紹介、求人広告を展開」と書かれています。
エムスリーは転職支援も行なっていますので、
人材紹介という点では近いです。

EMシステムズ(銘柄コード:4820)

「調剤薬局向けシステムの大手」。
うーん、ちょっと違いますかね?

メドピア(銘柄コード:6095)

「医師向け情報サイト運営」と書かれています。
かなり近いです。

MRT(銘柄コード:6034)

「インターネットを介した非常勤医師の紹介サイト主力」と書かれています。
こちらも人材紹介という点では近いです。

メドレー(銘柄コード:4480)

「ヘルスケア領域向け成果報酬型人材紹介が主力」と書かれています。
人材紹介という点で近いです。


・・・

まとめると
次のようになりました。


情報サイト系では
・ケアネット(2150)
・メドピア(6095)

人材紹介系では
・エス・エム・エス(2175)
・MRT(6034)
・メドレー(4480)

残りの
・データホライゾン(3628)
・日本エマージェンシーアシスタンス(6063)
・EMシステムズ(4820)
対象外とします。

せっかくなので
各社の株価チャートも見ておきましょう。
(クリックすると拡大します)

エス・エム・エスとMRT以外は
高値圏で推移している
という印象ですね。

医師向けポイントサイト

さて、ライバル会社を調べていくうちに
面白いことがわかりました。

どうやら「m3.com」以外に、
医師向けのポイントサイトがあるようです。

基本的には
・記事を閲覧したり
・アンケートに回答したり
・Web講演会を視聴したり
することで
ポイントを稼げるようです。

以下にそのサイトをまとめてみました。
(クリックすると拡大します)

前述した
・ケアネット(2150)
・メドピア(6095)
も含まれていますね。

それぞれの詳しい違いについては
割愛しますが、

エムスリーは
会員数において他社を圧倒している
ということがわかります。

「開始時期が早かったからかな?」

と思ったんですが、運営開始は
ケアネットのほうが早いです。

エムスリーがここまで
他社を圧倒している理由について、
はっきりとしたことは言えませんが、

一つ言えるのは、

エムスリーには
優秀な経営者が揃っている
ということです。

まず代表取締役の谷村氏は
マッキンゼー(大手コンサルティング会社)
出身ですし、

ほかにも
・BCG(ボストンコンサルティンググループ)
・ゴールドマン・サックス
・J.P.モルガン

などの外資系企業の出身者が
30名以上揃っているそうです。

このように聞くと、
これから入社を考えている人にとっては
敷居が高い会社
と思われるかもしれませんが、

2011年度からは
新卒採用も受け入れています。

人材の多様性
エムスリーの特徴のようですね。

社員一人ひとりが
経営者の視点に立つ、つまり

社長意識

を持つことを求められています。

今後、医療業界に
どのようなインパクトを与えてくれるのか
楽しみですね。

決算説明資料

今度は
決算説明資料を見ていきましょう。

新型コロナウイルスの影響で
「m3.com」へのサイトアクセスが
増大しているそうです。

海外サイトも伸びてます。

製薬会社向けの
マーケティング支援サービスも
増加傾向。

・eディテール既読数
・Web講演会視聴人数
も、前年同期に比べ大きく増加。

eディテールというのは
おそらく「MR君」のことです。

LINEとの共同出資による
LINEヘルスケア」は、
公式アカウント友だち数:約550万人。

LINEヘルスケアを通じた
オンライン診療サービスも展開予定
とのこと。

ちなみに
LINEヘルスケアとは、
LINEでお医者さんに相談できるサービスです。

医療クラウドサービスを提供する
株式会社NOBORIと事業提携し、
AIプラットフォーム事業を開始。

マイナス面としては
需要の先送り、もしくは
一時的な需要の減少のため、

あまり深刻とは言えません。

今後の見通しとしては、

コロナが終息するまでは
・治験
・キャリア
・医療機関の運営サポート
が減少。

コロナ対策費用として
10億円の予算を確保。

医療従事者などに
各種支援を実施する。

現時点で検討している
支援内容の候補は次のとおり。

1.正しい診断や治療方法の探索支援
2.医療現場の支援
3.患者の支援

関連会社のソニーからも
資金提供を受けているそうです。

コロナに対する取り組み
積極的に行なっています。

・LINEヘルスケアを使っての無料相談(8/31まで)
・コロナに関する専門家Web講演会
・マスク200万枚を医療現場に無料配布

今後の成長戦略としては、

NAS(※)を買収し、
エムスリーの子会社である
PracticeMatchとシナジー効果を起こすことにより、

病院向け採用支援サービスにおける
トップポジションを確立する。

※NAS…米国において採用マーケティング事業を行う会社

また、インドのManthanから
グローバル医師向け市場調査事業を
買収したことにより、

エムスリーグループが世界各地で行っている
医療従事者を対象とした市場調査サービス

“M3 Global Research”

において、
以下のシナジー効果を想定している。

・グローバル調査事業の拡大
・インドでのオペレーション活用による効率化

業績予想は未定としたが、

過去の
・リーマンショック
・東日本大震災
といった局面でも
持続的に成長してきたため、

基本的には
成長を持続する見込みである。

まとめ

調べれば調べるほど
株価が上がるのが納得の会社ですね。

投資判断としては
引き続きホールドにしたいと思います。

ありがとうございました。

-企業分析
-,

執筆者:

関連記事

株式会社ラクーンホールディングス(銘柄コード:3031)について分析してみた

どうも、井上です。 今回は、銘柄コード3031株式会社ラクーンホールディングスについて解説します。 皆さん、ラクーンホールディングスという会社をご存知でしょうか? ラクーンホールディングスは「スーパー …

スマレジ(銘柄コード:4431)について分析してみた

どうも、井上です。 今回は、銘柄コード4431株式会社スマレジについて解説します。 目次1 スマレジとは2 スマレジの財務分析3 スマレジの業績推移4 スマレジの通期業績予想5 まとめ スマレジとは …

ダブルスタンダード(銘柄コード:3925)の株価が急落!そんなに悪い決算内容だったのか?

どうも、井上です。 今回は銘柄コード3925株式会社ダブルスタンダードについて解説します。 目次1 ダブルスタンダードとは2 四半期分析3 SBIとの提携4 まとめ ダブルスタンダードとは 皆さん、ダ …

グレイステクノロジー株式会社(銘柄コード:6541)について分析してみた

どうも、井上です。 今回は、銘柄コード6541グレイステクノロジー株式会社について解説します。 グレイステクノロジーは、企業向けにマニュアルの作成やコンサルティングを請け負っている会社です。 企業CM …

BASEって投資対象としてどうなの?いろんな観点から分析してみた

どうも、井上です。 今回は銘柄コード4477BASE株式会社について解説します。 目次1 BASEの株価が急騰2 BASEのサービス3 アメリカにも似たような会社はあるか?4 BASEのライバル5 累 …